甲マンション 707 号室を所有するAは、同室をBに賃貸する旨の契約(この問いにおいて「本件賃貸借契約」という。)を結び、同室をBに引き渡すとともに、Bから敷金の交付を受けた。
この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正答1
解説
肢1は正しい(正解)。
敷金は、賃料債務その他賃貸借に基づいて生ずる賃借人の賃貸人に対する金銭給付を目的とする債務(不法占拠を理由とする賃料相当額の損害賠償債務を含む)を担保する(民法622条の2第1項)。
肢2は誤り。
賃貸人は賃貸借終了かつ「賃貸物の返還を受けたとき」に敷金を返還すればよく、明渡しが先履行であるから、Bは敷金返還との同時履行を主張して明渡しを拒むことはできない(622条の2第1項1号)。
肢3は誤り。
賃借人の側から敷金をその賃料債務の弁済に充てるよう請求することはできない(622条の2第2項)。
肢4は誤り。
賃貸人たる地位が譲受人に移転すれば敷金返還債務も譲受人が承継するため、Bは新所有者Cに対して敷金返還請求権を行使できる(605条の2第4項)。
正解は肢1。