Aは、甲マンションの1室を所有し、Aの子Bと同室に居住しているが、 BがAから代理権を与えられていないにもかかわらず、Aの実印を押捺した委任状を作成し、Aの代理人と称して同室を第三者Cに売却する契約を締結し、登記も移転した。
この場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正答2
解説
肢1は誤り。
表見代理の成立には本人の帰責性(代理権授与の表示、権限外の行為、代理権消滅後のいずれか)が必要である。
BはAの実印を無断使用し委任状を偽造しており、本人Aに何ら帰責性がないため、Cが善意無過失であっても表見代理は成立せず売買契約は無効である。
肢2は正しい(正解)。
無権代理人が本人を単独相続した場合、判例上、本人の追認拒絶権を行使することは信義則上許されず、売買契約は相続とともに当然有効となる。
肢3は誤り。
無権代理行為は本人が追認しない限り無効であり、また不動産登記に公信力はないため、DがCの登記を信じ無過失であっても所有権を取得せず、AはDに対して自己の権利を主張できる。
肢4は誤り。
無権代理の相手方が本人に追認するか確答すべき旨催告した場合、本人が期間内に確答しないときは「追認を拒絶したもの」とみなされる(民法114条)。
追認したものとみなされるのではない。
正解は肢2。