売主Aと買主Bが、マンションの一住戸甲(以下、本問において「甲」 という。) の売買契約(以下、本問において「本件契約」 という。) を締結した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正答3
解説
正解は3。
通謀虚偽表示・強迫・詐欺・錯誤という意思表示の瑕疵について、第三者保護と取消し(無効)の主張権者を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 通謀虚偽表示による意思表示の無効は、善意の第三者に対抗することができません(民法94条2項)。
事情を知らないCは善意の第三者なので、AはCに対して自己の所有権を主張することはできません。
2:× 強迫による取消しには、詐欺の場合のような第三者保護規定がありません(民法96条3項は詐欺のみ)。
したがって、Aは強迫を理由とする取消しを善意のDにも対抗することができます。
3:○ 詐欺による意思表示は取り消すことができ(民法96条1項)、表意者に重大な過失があっても取消しは妨げられません。
重過失による制限があるのは錯誤であり、詐欺にはそのような制限はありません。
4:× 錯誤無効は表意者を保護するための制度であるため、表意者であるBに無効を主張する意思がない場合、相手方Aは原則として無効を主張することができません(最判昭40.9.10)。
【ポイント】
第三者保護は「虚偽表示=善意の第三者」「詐欺=善意の第三者」「強迫=保護なし」と整理しましょう。
※現行法(2020年4月施行の改正民法)では錯誤の効果は「無効」から「取消し」に改められ、詐欺取消しの第三者保護は「善意無過失」が要件となっています。