正答1
解説
正解は1。
管理組合法人の理事個人の責任、使用者責任、不法行為の遅延損害金の起算点、注文者の責任という不法行為の基本論点を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 理事が職務を行うについて第三者(区分所有者を含む)に損害を与えた場合、管理組合法人は損害賠償責任を負います(区分所有法47条10項による一般社団法人法78条の準用)。
加えて、過失により直接けがをさせた理事A自身も、民法709条の不法行為責任を免れません。
よって法人とAの双方が責任を負います。
2:× 使用者責任では、使用者が「被用者の選任及びその事業の監督について相当の注意をしたとき」は責任を負わないとされています(民法715条1項ただし書)。
「選任及び監督について過失がなかったときでも」責任を負うとする点が誤りです。
3:× 不法行為に基づく損害賠償債務は、損害の発生と同時に(不法行為の時から)催告を要せずに遅滞に陥るとするのが判例です(最判昭37.9.4)。
「損害賠償請求をした時から」遅滞となるのではありません。
4:× 注文者は、請負人がその仕事について第三者に加えた損害を賠償する責任を負わないのが原則で、注文又は指図に過失があった場合に限り責任を負います(民法716条)。
「注文又は指図について過失がない場合でも」責任を負うとする点が誤りです。
【ポイント】
不法行為の遅延損害金は「請求時」ではなく「不法行為時」から発生します。
注文者は原則責任を負わず、「注文又は指図に過失」があるときだけ責任を負う点もよく出ます。