マンションの一住戸甲(以下、本問において「甲」 という。) の区分所有者A(以下、本問において「A」 という。) の死亡により、法定相続人であるBと Cが甲を相続分2分の1ずつで共同相続した場合に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正答3
解説
正解は3。
共同相続されたマンションについて、遺産分割の時期、相続欠格、共同相続と登記、相続放棄の効果を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 遺産分割協議に期間制限はなく、共同相続人はいつでも協議で分割できます(民法907条1項)。
「3箇月以内」は、相続の承認・放棄をすべき熟慮期間(民法915条1項)の話であり、遺産分割とは別です。
2:× 相続に関する被相続人の遺言書を偽造した者は、相続欠格事由に当たり(民法891条5号)、法律上当然に相続人の資格を失います。
家庭裁判所の認定・審判は不要です(家庭裁判所の審判が必要なのは推定相続人の廃除です)。
3:○ 共同相続人の一人が単独所有の登記をして第三者に譲渡しても、他の共同相続人は自己の持分について登記なくして第三者に対抗できます(最判昭38.2.22)。
Bの登記はCの持分については無権利の登記であり、Dはその部分を取得できないからです。
4:× 相続放棄をした者は初めから相続人とならなかったものとみなされ(民法939条)、その効果は絶対的で、登記の有無を問わず誰に対しても主張できます(最判昭42.1.20)。
Bの持分を差し押さえたEに対しても、Cは甲全部の取得を対抗できます。
【ポイント】
「共同相続と登記」は自己の法定相続分なら登記不要、「相続放棄」は絶対効で登記不要、「遺産分割後の第三者」は登記が必要、という区別を押さえましょう。