A さん(21歳、男性)。
数日前から自室に引きこもり、意味不明な言動もみられるため、家族に連れられて精神科を受診。
統合失調症の診断で、初回入院となった。
入院後、服薬を拒否している。
看護師が本人に話を聞くと、「悪い奴らに狙われていて殺される」「その薬も毒が入っている」「今も監視されていて怖い」と訴えた。
対応で適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
統合失調症で、追跡されている、毒を盛られているという被害妄想のある患者への対応が問われています。
妄想は本人にとって現実であり、説得では訂正できない確信です。
看護師は妄想を否定も肯定もせず、本人が感じている恐怖や不安に焦点を当てて関わります。
【選択肢別解説】
1:× 妄想を否定すると、本人は「わかってもらえない」と感じ、看護師への不信感が強まります。
正しくは、妄想の内容には同意も否定もせず、気持ちに目を向けます。
2:○ 「殺されるかもしれない」という恐怖は、本人にとって本当の感情です。
その気持ちを受け止めて寄り添うことで安心感が生まれ、信頼関係を築く第一歩になります。
信頼関係ができると、服薬についても話し合いやすくなるため適切です。
3:× 監視の内容を詳しく尋ねると、本人は妄想について繰り返し考えることになり、妄想が強まるおそれがあります。
正しくは、妄想の内容に深入りせず、感情や困っていることに焦点を当てます。
4:× 強い態度で服薬を迫ると、「毒を飲まされる」という被害感がさらに強まり、拒薬が固定化します。
正しくは、本人の不安を受け止めつつ、拒薬の状況を医師に報告し、対応を相談します。
【ポイント】
妄想のある患者には、否定も肯定もせず、感情に焦点を当てて関わるのが基本です。
被毒妄想による拒薬では、包装されたままの薬を本人に開けてもらうなど、不安を和らげる工夫も行われます。