正答2
解説
正解は2です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
賃貸人・賃借人が死亡したときの債権債務や賃借権の承継を問うています。
【選択肢別解説】
1:× 死亡前に支払期限が到来した賃料債権は当然に分割されるので、記述は正しい内容です。
金銭債権のような可分債権は、相続開始と同時に法定相続分に応じて当然に分割されます(最判昭和29年4月8日)。
遺産分割を経る必要はありません。
2:○ 死亡前に発生した敷金返還債務は分割して承継されるので、この記述が誤りです。
敷金返還債務は、賃貸借が終了し明渡しが完了した時に具体的に発生する金銭債務です。
死亡前にすでに発生していた金銭債務は、各相続人が相続分に応じて分割して承継します。
各相続人が全額の返還債務を負う不可分債務とはなりません。
3:× 事実上の夫婦や養親子にあった同居者は賃借人の地位を承継するので、記述は正しい内容です。
居住用建物の賃借人が相続人なしに死亡したときは、このような同居者が賃借人の権利義務を承継します(借地借家法36条1項)。
相続人なしに死亡したことを知った後1か月以内に反対の意思表示をすれば、承継しないこともできます。
4:× 公営住宅の使用権は当然には相続されないので、記述は正しい内容です。
判例は、公営住宅の入居者が死亡しても、相続人が使用権を当然に承継するものではないとしています(最判平成2年10月18日)。
公営住宅は、住宅に困窮する低額所得者に低廉な家賃で賃貸するための制度だからです。
【ポイント】
賃貸借の継続中に賃貸人が死亡した場合、未発生の敷金返還債務は賃貸人の地位とともに承継されます。
本問は「死亡前に発生した」債務なので、通常の金銭債務として分割承継される点に注意しましょう。