定期建物賃貸借契約に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。
ア 定期建物賃貸借契約は、書面のほか、電磁的記録により締結することができる。
イ 定期建物賃貸借契約における事前説明(賃貸借に契約の更新がなく、期間の満了により当該建物の賃貸借が終了する旨の説明)は、賃借人の承諾がなくとも、電磁的方法により提供することができる。
ウ 契約期間が3か月の定期建物賃貸借契約の場合、賃貸人は契約終了の事前通知をせずとも、同契約の終了を賃借人に対抗できる。
エ 賃貸人は、平成5年に締結された居住目的の建物賃貸借契約に関し、令和5年4月1日、賃借人の同意を得られれば、同契約を合意解除し、改めて定期建物賃貸借契約を締結することができる。
正答2
解説
正解は2です。
定期建物賃貸借(借地借家法38条)の締結方法、事前説明、終了通知、切替えの制限を問う問題です。
2022年5月施行の改正で、契約や事前説明に電磁的方法を使えるようになりました。
ア〜エの○×は記述そのものの正誤を示し、正しい記述(○)の数を数えます。
【記述別解説】
ア:○ 定期建物賃貸借は、公正証書による等書面によって契約する必要があります(38条1項)。
電磁的記録によって契約した場合も、書面による契約とみなされます(38条2項)。
イ:× 事前説明の書面に代えて電磁的方法で提供するには、賃借人の承諾が必要です(38条4項)。
「承諾がなくとも」提供できるとする点が誤りです。
ウ:○ 期間満了の1年前から6か月前までの終了通知は、期間1年以上の定期建物賃貸借で必要になるものです(38条6項)。
期間3か月の契約では、終了通知をしなくても契約の終了を賃借人に対抗できます。
エ:× 定期借家制度が施行された平成12年3月1日より前に締結された居住用建物の賃貸借は、当分の間、合意解約して定期建物賃貸借に切り替えることが認められていません。
これは良質な賃貸住宅等の供給の促進に関する特別措置法の附則による制限です。
平成5年に締結された居住用の契約はこれに当たるので、切り替えはできません。
正しい記述はアとウの2つなので、正解は2の「2つ」です。
【ポイント】
事前説明の書面は、契約書とは別個の独立した書面であることが必要です(最判平成24年9月13日)。
終了通知が遅れた場合は、通知の日から6か月を経過すれば終了を対抗できます。