「原状回復をめぐるトラブルとガイドライン(再改訂版)」(国土交通省平成23年8月。以下、各問において「ガイドライン」という。)の考え方を前提とした場合、原状回復に関する次の記述のうち、誤っているものの組合せはどれか。
ア 借主の喫煙を理由として壁クロスの交換が必要となった場合、6年で残存価値1円となるような直線を想定し、負担割合を算定する。
イ 借主の過失によりフローリング床全体の張り替えが必要となった場合の張り替え費用は、経年変化を考慮せず、全額借主の負担となる。
ウ 耐用年数を経過した壁クロスであっても、借主が故意に落書きをした部分を消すのに要する費用は、借主の負担となることがある。
エ 借主の過失により必要となったクッションフロアの交換費用は、経年変化を考慮せず、全額借主の負担となる。
正答3
解説
正解は3です。
この問題は誤っている記述の組合せを選びます。
【記述別解説】の ○・× は、記述そのものが正しいか誤りかを表します。
ガイドラインで借主の負担割合を算定するとき、経過年数(減価償却)を考慮するかどうかが問われています。
【記述別解説】
ア:○ 壁クロスの耐用年数は6年とされ、6年で残存価値1円となるような直線を想定して借主の負担割合を算定します。
喫煙による変色や臭いが通常の使用を超える場合は借主負担となり、その費用にこの算定方法が使われます。
イ:× フローリングの部分補修は経年変化を考慮しませんが、全体を張り替える場合は経年変化を考慮します。
全体張替えでは、建物の耐用年数で残存価値1円となるような負担割合を算定するので、「全額借主負担」は誤りです。
ウ:○ 耐用年数を経過した設備等でも、継続して使用できる場合があります。
故意に落書きをした部分を消す工事費用などは、借主の負担となることがあるので、記述は正しいです。
エ:× クッションフロアは、壁クロスと同じく耐用年数6年で、経年変化を考慮して負担割合を算定します。
「経年変化を考慮せず全額借主負担」とする点が誤りです。
誤っているのはイとエなので、正解は3です。
【ポイント】
経年変化を考慮しないのは、フローリングの部分補修や襖紙・障子紙・畳表などの消耗品です。
クロスとクッションフロアは「6年で1円」、フローリングの全面張替えは「建物の耐用年数」と整理しましょう。