2020年度 賃貸不動産経営管理士試験 問16
宅地建物取引業法に基づき、賃貸取引に係るITを活用した重要事項説明を実施する場合に関する次の記述のうち、正しいものはいくつあるか。 ア 宅地建物取引士及び重要事項の説明を受けようとする者が、図面等の書類及び説明の内容を十分に理解できる程度に映像を視認でき、かつ、双方が発する音声を十分に聞きとり、やり取りができる環境で実施されなければならない。 イ 宅地建物取引士が記名押印した重要事項説明書及び添付資料が、重要事項の説明を受けようとする者にあらかじめ送付されていなければならない。 ウ 重要事項の説明を受けようとする者が、重要事項説明書及び添付資料を確認しながら説明を受けることができる状況にあること、及び映像音声の状況について、宅地建物取引士が説明開始前に確認しなければならない。 エ 重要事項説明を開始した後、映像を視認できず、又は音声を聞き取ることができない状況が生じた場合には、直ちに説明を中断し、当該状況が解消された後に説明を再開しなければならない。
正答4
解説
正解は4です。 宅地建物取引業法35条の重要事項説明を、テレビ会議等のITを活用して行う場合(IT重説)の実施要件が問われています。 賃貸取引のIT重説は、2017年10月から本格運用されていました。 【記述別解説】 ア:○ 説明者と説明を受ける者が、書類と説明内容を十分理解できる程度に映像を視認できる環境が必要です。 あわせて、双方の音声を十分に聞き取ってやり取りできることも必要です。 双方向でやり取りできる環境は、IT重説の前提となる要件です。 イ:○ 宅地建物取引士が記名押印した重要事項説明書と添付資料を、説明を受ける者にあらかじめ送付しておく必要があります。 相手方が手元で書面を確認しながら説明を聞けるようにするためです。 ウ:○ 宅地建物取引士は、説明の開始前に、相手方が書類を確認しながら説明を受けられる状況にあるかを確認します。 映像と音声の状況も、開始前に確認しなければなりません。 エ:○ 説明の途中で映像が見えない、音声が聞こえないといった状況が生じたら、直ちに説明を中断します。 その状況が解消してから、説明を再開しなければなりません。 ア〜エはすべて正しいので、正しいものは4つで、正解は4です。 【ポイント】 このほか、宅地建物取引士証を画面上で提示し、相手方が視認できたことを確認する必要もあります。 なお、2022年5月施行の改正宅地建物取引業法で、重要事項説明書への押印は不要となり、電磁的方法による提供も認められました。法改正による注意
正答と採点は出題当時の正解によります。
記述イは、2022年5月施行の改正宅地建物取引業法により、現行法では誤った記述です。重要事項説明書への宅地建物取引士の押印は不要になり、記名だけでよくなりました。現在の国土交通省の運用でも、IT重説の要件は「記名された」重要事項説明書等をあらかじめ交付(電磁的方法による提供を含む)していることとされています。現行法では正しいものはア・ウ・エの3つになり、正解は肢3になります。 根拠:宅地建物取引業法第35条第5項(2022年5月18日施行) (2026年10月時点の法令による)