正答1
解説
正解は1です。
建物賃貸借の当事者が死亡した場合に、賃貸借契約や賃借権がどうなるかを問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 借主が死亡し、相続人のあることが明らかでなくても、賃貸借契約は終了しません。
賃借権は財産権として相続の対象となり、借主の死亡は契約の終了原因ではありません。
相続人のあることが明らかでない場合、相続財産は法人とされ(民法951条)、相続財産管理人が借主の地位を管理します。
2:× 貸主が死亡し、相続人のあることが明らかでない場合も、賃貸借契約は終了しません。
貸主の地位も相続財産法人に帰属し、契約はそのまま続きます。
3:× 共同相続人に対して債務不履行解除をするには、相続人全員に解除の意思表示をする必要があります。
当事者の一方が複数いる場合、解除はその全員から、またはその全員に対してのみすることができます(民法544条1項)。
これを解除権の不可分性といいます。
4:× 内縁関係にある者は、同居期間が長くても相続人にはなりません。
相続人の範囲は民法で定められており、賃借権の相続に限って内縁の配偶者を相続人とする規定はありません。
ただし、相続人がいない場合は、事実上夫婦と同様の関係にあった同居者が居住用建物の賃借権を承継できます(借地借家法36条)。
また、判例は、相続人がいる場合でも、内縁の配偶者が相続人の賃借権を援用して居住を続けることを認めています(最判昭42.2.21)。
【ポイント】
「賃貸借は当事者の死亡で終了しない」「使用貸借は借主の死亡で終了する」という対比がよく出題されます。
内縁の配偶者の保護は「相続」ではなく、借地借家法36条の承継と、判例の援用の考え方によると整理しましょう。