賃貸借契約に関する次の記述のうち、誤っているものはいくつあるか。
ア 賃貸借契約を解除するために行う催告は、内容証明郵便でしなければ効力を生じない。
イ 賃貸借契約の解約及び建物明渡しの合意は、公正証書でしなければ効力を生じない。
ウ 賃貸借契約の合意更新は、書面で行わなくとも効力が生じる。
正答3
解説
正解は3です。
建物賃貸借契約の解除・解約・更新に、書面などの特別な方式が必要かを問う問題です。
誤っているものの数を答える問題なので、記述ごとの正誤(○=正しい、×=誤り)を判定し、×の数を数えます。
【記述別解説】
ア:× 解除のための催告は、内容証明郵便でしなくても効力を生じます。
催告は相手方に履行を求める通知であり、法律上の方式は定められていません。
口頭や普通郵便でも効力はありますが、到達と内容を証明するために、実務では内容証明郵便がよく使われます。
イ:× 解約と建物明渡しの合意は、公正証書でしなくても効力を生じます。
賃貸借契約は当事者の合意だけで成立する諾成契約であり(民法601条)、解約の合意にも方式の定めはありません。
公正証書は、合意内容の証拠を残す目的などで作成されるもので、効力発生の要件ではありません。
ウ:○ 合意更新は、書面で行わなくても効力を生じます。
普通建物賃貸借の更新の合意に書面を要求する規定はなく、口頭の合意でも有効です。
以上より、誤っているのはアとイの2つで、正解は3です。
【ポイント】
建物賃貸借で書面が有効要件となるのは、定期建物賃貸借(借地借家法38条1項)など、法律が特に定める場合に限られます。
内容証明郵便や公正証書は「証拠」や「執行」のための手段であり、効力発生の要件ではないと押さえましょう。