賃貸住宅管理業者登録制度において、賃貸住宅管理業者が遵守すべき事項に関する次の記述のうち、正しいものの組合せはどれか。
ア 賃貸住宅管理業者は、管理受託契約において定めがあれば管理事務の再委託を行うことができるが、基幹事務については一括して再委託することはできない。
イ 賃貸住宅管理業者は、管理受託契約を締結しようとするときは、貸主に対し、借賃及び将来の借賃の変動に係る条件に関する事項を、賃貸住宅管理業者登録規程に規定する実務経験者等をして、説明させなければならない。
ウ 賃貸住宅管理業者は、その業務について、事務所ごとに帳簿を作成し、管理受託契約及び転貸に係る賃貸借契約を締結する度に、当該契約を締結した事実及び当該契約の概要を記載する必要がある。
エ 賃貸住宅を転貸する賃貸住宅管理業者(サブリース業者)は、転借人(入居者)から賃貸借契約に定めのない金銭を受領したときは、賃貸人に対し、その旨を通知しなければならない。
正答2
解説
正解は2です。
登録規程のもとで賃貸住宅管理業者が守るべき事項(再委託・重要事項説明・帳簿・金銭受領の通知)を問う問題です。
正しいのはアとウです。
【記述別解説】
ア:○ 管理受託契約に定めがあれば再委託はできますが、基幹事務の一括再委託は禁止されていました。
基幹事務は、管理業者が自ら責任を持って行うべき中核の業務とされているためです。
イ:× 管理受託契約の重要事項説明に、「借賃及び将来の借賃の変動に係る条件」は含まれません。
この事項は、サブリース業者が貸主と転貸目的の賃貸借契約(サブリース契約)を結ぶときの説明事項です。
管理受託契約では、管理事務の内容・実施方法や、管理事務に要する費用などを説明します。
ウ:○ 業務に関する帳簿は、事務所ごとに作成する必要がありました。
管理受託契約や転貸に係る賃貸借契約を締結するたびに、締結の事実と契約の概要を記載しなければなりません。
本店でまとめて作成したり、一定期間分をまとめて記載したりすることは認められていませんでした。
エ:× サブリース業者には、このような通知義務はありません。
賃貸借契約に定めのない金銭を受領したときに貸主へ通知する義務は、管理受託契約の管理業者に課されるものです。
管理受託の管理業者は貸主の代わりに金銭を受け取るため、受領を貸主に知らせる必要があります。
サブリース業者は自らが貸主(転貸人)として入居者から金銭を受け取るため、原賃貸人への通知は求められていませんでした。
以上より、正しいものの組合せはアとウで、正解は2です。
【ポイント】
重要事項説明の内容は、管理受託契約とサブリース契約とで異なります。
「借賃と将来の借賃の変動に係る条件」は、サブリース契約に特有の説明事項と押さえましょう。
なお、賃貸住宅管理業法でも、管理業務の全部を再委託することは禁止されています(15条)。