2016年度 賃貸不動産経営管理士試験 問16
賃貸借契約の保証に関する次の記述のうち、最も不適切なものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。 賃貸借契約の保証人が、どの範囲の債務まで責任を負うかを問う問題です。 この問題は最も不適切なものを選ぶので、○ が答え(不適切な記述)です。 【選択肢別解説】 1:× 適切な記述です。 判例は、特段の事情がない限り、更新後の賃貸借から生ずる借主の債務についても保証人は責任を負うとしています(最判平成9年11月13日)。 貸主の請求が信義則に反する場合に限り、責任を免れます。 2:○ 不適切な記述です。 保証契約は書面でしなければ効力を生じません(民法446条2項)。 しかし、賃貸借契約書に保証の規定があり、保証人が署名押印していれば、書面の要件を満たします。 別に保証契約書を作成しなくても、保証契約は有効です。 3:× 適切な記述です。 保証人は、契約解除後の明渡し遅滞によって生じた賃料相当損害金についても保証債務を負います。 賃貸借から生じる借主の債務として、保証の範囲に含まれるからです。 4:× 適切な記述です。 出題当時の民法では、借主が死亡し、相続人が借主の地位を承継した後に発生する賃料債務についても、保証人は保証債務を負うと解されていました。 【ポイント】 2020年4月施行の改正民法で、個人が賃貸借の保証人となる場合は根保証として極度額の定めが必要になりました(民法465条の2)。 また改正後は、借主の死亡で元本が確定するため、死亡後に生じた賃料は保証の対象外になります(同法465条の4第1項3号)。法改正による注意
正答と採点は出題当時の正解によります。
肢4は、2020年4月施行の改正民法により、保証人が個人の場合は現行法では不適切な記述です。改正で、賃貸借の保証のような個人の根保証は、主たる債務者(借主)が死亡すると元本が確定することになりました。そのため個人の保証人は、借主の死亡後に発生した賃料について保証債務を負いません。現行法では不適切なものは肢2と肢4の2つになり、この問題は成立しません。 根拠:民法第465条の4第1項第3号(2020年4月1日施行) (2026年10月時点の法令による)