AがBとの間で、A所有の甲土地につき建物の所有を目的として一時使用目的ではない賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
借地権の対抗要件、地代減額請求、定期借地権、存続期間を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 借地上の建物による対抗要件は、借地権者自身の名義で登記された建物が必要です(借地借家法10条1項)。
判例は、借地権者以外の家族の名義で登記された建物では対抗できないとしています。
したがって、配偶者C名義の建物では、BはDに借地権を主張できません。
2:× 地代を一定期間増額しない旨の特約は有効ですが(借地借家法11条1項ただし書)、減額しない旨の特約は無効です。
定期借地権であっても、減額請求を排除する特約を有効に定める規定はありません。
なお、賃料改定特約で減額請求を排除できるのは定期建物賃貸借です(同法38条)。
3:○ 存続期間を50年以上とする場合、更新・延長がなく建物買取請求をしない旨を書面で定める一般定期借地権を設定できます(借地借家法22条)。
一般定期借地権は建物の用途を問わないので、事業用建物の所有を目的とする場合にも利用できます。
4:× 借地権の存続期間は30年以上でなければならず、20年と定めても30年となります(借地借家法3条)。
公正証書で契約しても期間は変わらないので、20年経過時に更新を拒絶することはできません。
公正証書が必要な事業用定期借地権は、居住用建物には使えません。
【ポイント】
一般定期借地権は50年以上・書面・用途不問、事業用定期借地権は10年以上50年未満・公正証書・事業用のみです。
地代は「増額しない特約」だけが有効と覚えましょう。