Aを売主、Bを買主とする甲土地の売買契約による甲土地の引渡し後に、目的物の品質に関して契約の内容に適合しない土壌汚染が見つかった場合の売主の担保の責任(以下この問において「契約不適合責任」という。)に基づく損害賠償に関する次の記述のうち、民法の規定、宅地建物取引業法の規定及び判例によれば、誤っているものはどれか。
正答3
解説
正解は3です。
契約不適合(土壌汚染)に基づく損害賠償について、民法の期間制限・免責特約と、宅建業法40条の特約制限を組み合わせて問う問題です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○が答え(誤った記述)です。
買主Bは宅建業者ではない前提で考えます。
【選択肢別解説】
1:× 契約不適合に基づく損害賠償請求権は、引渡しの時から10年の消滅時効にかかります(民法166条1項2号、判例)。
引渡しから11年が経過しているので、通知期間を守っていても請求できません。
これは売主が宅建業者かどうかに関係しないので、本肢は正しい記述です。
2:× 売主が宅建業者の場合、通知期間を引渡しの日から2年以上とする特約は有効です(宅建業法40条1項)。
売主が宅建業者でない場合も、不適合を知りながら告げなかったのでなければ特約は有効です(民法572条)。
どちらでも3年の特約が有効で、4年経過後の通知では請求できないので、本肢は正しい記述です。
3:○ 売主が宅建業者でない場合、知りながら告げなかった事実については、特約があっても責任を免れません(民法572条)。
売主が宅建業者の場合、通知期間を1年とする特約は買主に不利なので無効となり(宅建業法40条2項)、民法の規定によります。
民法では、売主が悪意の場合は1年の通知期間の制限もかかりません(民法566条ただし書)。
したがって、どちらの場合もBは損害賠償を請求でき、結論が異なるとする本肢は誤りです。
4:× 売主が宅建業者でなく、不適合を知らなかった場合、責任を負わない旨の特約は有効です(民法572条)。
売主が宅建業者の場合、全部免責の特約は無効となり(宅建業法40条2項)、直ちに通知したBは請求できます。
結論が異なるので、本肢は正しい記述です。
【ポイント】
宅建業者が売主の場合、有効な特約は「通知期間を引渡しから2年以上」とするものだけです。
売主が知りながら告げなかった不適合は、免責特約があっても責任を免れません。