従来の住所又は居所を去った者(以下この問において「不在者」という。)の財産の管理に関する次の記述のうち、民法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
なお、この問において「管理人」とは、不在者の財産の管理人をいうものとする。
正答4
解説
正解は4です。
不在者の財産管理(民法25条〜29条)に関する問題です。
家庭裁判所が選任した管理人は、保存行為などの権限内の行為は許可なくでき、それを超える処分行為には家庭裁判所の許可が必要です。
【選択肢別解説】
1:× 「生死が7年間明らかでない場合に限り」が誤りです。
不在者が管理人を置かなかったときは、生死不明の期間に関係なく、家庭裁判所は利害関係人又は検察官の請求により必要な処分を命じることができます(民法25条1項)。
7年間の生死不明は、失踪宣告(民法30条1項)の要件です。
2:× 「改任することはできない」が誤りです。
不在者が管理人を置いた場合でも、その不在者の生死が明らかでないときは、家庭裁判所は利害関係人又は検察官の請求により管理人を改任できます(民法26条)。
3:× 「家庭裁判所の許可が必要」が誤りです。
判例は、不在者を被告とする第一審判決に対して控訴を提起することは保存行為に当たり、家庭裁判所の許可は不要としています(最判昭和47年9月1日)。
4:○ 選任された管理人は、保存行為など民法103条の権限内の行為を許可なくできます(民法28条)。
自宅の修理は保存行為に当たり、売却は処分行為なので家庭裁判所の許可を得れば行えます。
【ポイント】
管理人の権限は「保存・利用・改良は許可不要、処分は許可が必要」と整理しましょう。
7年の生死不明は失踪宣告の要件であり、財産管理の処分命令の要件ではありません。