宅地建物取引業者Aが行う業務に関する次の記述のうち、宅地建物取引業法の規定に違反するものはいくつあるか。
ア Aは、自ら売主として、建物の売買契約を締結するに際し、買主が手付金を持ち合わせていなかったため手付金の分割払いを提案し、買主はこれに応じた。
イ Aは、建物の販売に際し、勧誘の相手方から値引きの要求があったため、広告に表示した販売価格から100万円値引きすることを告げて勧誘し、売買契約を締結した。
ウ Aは、土地の売買の媒介に際し重要事項の説明の前に、宅地建物取引士ではないAの従業者をして媒介の相手方に対し、当該土地の交通等の利便の状況について説明させた。
エ Aは、投資用マンションの販売に際し、電話で勧誘を行ったところ、勧誘の相手方から「購入の意思がないので二度と電話をかけないように」と言われたことから、電話での勧誘を諦め、当該相手方の自宅を訪問して勧誘した。
正答2
解説
正解は2です。
宅建業者の業務に関する禁止事項(宅建業法47条・47条の2)を問う個数問題です。
この問題では、法に違反するものに ○、違反しないものに × を付けます。
【記述別解説】
ア:○ 違反します。
手付について貸付けその他の信用の供与をすることにより契約の締結を誘引する行為は禁止されています(宅建業法47条3号)。
手付金の分割払いの提案は信用の供与に当たり、買主が応じたかどうかにかかわらず違反です。
イ:× 違反しません。
販売価格の値引きは、手付についての信用の供与には当たりません。
値引きを告げて勧誘することは、宅建業法上禁止されていません。
ウ:× 違反しません。
重要事項の説明自体は宅建士がしなければなりませんが、それ以外の案内や物件の情報提供を従業者が行うことは禁止されていません。
交通等の利便の状況を従業者が伝えても違反にはなりません。
エ:○ 違反します。
相手方が契約を締結しない旨の意思を表示したにもかかわらず、勧誘を継続することは禁止されています(宅建業法施行規則16条の12第1号ニ)。
電話での勧誘をやめても、自宅を訪問して勧誘すれば勧誘を継続したことになるので違反です。
違反するのはアとエの二つなので、正解は2です。
【ポイント】
手付の「貸付け・分割払い・後払い」は信用の供与として禁止ですが、「値引き」や「手付の減額」は禁止されていません。
勧誘を断られた後は、電話・訪問など手段を変えても勧誘を続けてはいけません。