AとBとの間で、A所有の甲土地につき建物所有目的で賃貸借契約(以下この問において「本件契約」という。)を締結する場合に関する次の記述のうち、民法及び借地借家法の規定並びに判例によれば、正しいものはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
借地借家法の普通借地権・定期借地権の存続期間と、借地権の対抗要件を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 誤りです。
公正証書が必要なのは事業用定期借地権等を設定する場合です(借地借家法23条3項)。
事業用建物の所有目的でも、普通借地権として設定するなら公正証書は不要であり、無効にはなりません。
2:○ 正しい記述です。
普通借地権の存続期間は30年以上で、30年未満の定めは30年となります(借地借家法3条)。
また、更新請求をしない旨の特約は借地権者に不利な特約として無効です(同法9条)。
居住用建物の所有目的では、存続期間10年以上50年未満の事業用定期借地権は利用できません。
したがって、20年の存続期間も更新しない特約も無効となります。
3:× 誤りです。
存続期間を30年より長く定めた場合は、その期間となります(借地借家法3条ただし書)。
普通借地権の設定に公正証書は不要なので、60年の定めはそのまま有効です。
4:× 誤りです。
借地権者は、借地上に自己名義で登記された建物を所有すれば第三者に対抗できます(借地借家法10条1項)。
判例は、同居の長男など他人名義で登記した建物では対抗力を認めていません(最大判昭41.4.27)。
【ポイント】
普通借地権は「30年以上・更新しない特約は無効」が基本です。
借地権の対抗要件となる建物登記は、借地権者本人の名義でなければなりません。