正答4
解説
正解は4です。
相続に関連する判例の結論を問う問題です。
無権代理と相続、共同相続と登記、連帯債務の相続、共有物の明渡請求が論点です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 正しい記述です。
判例は、無権代理人が本人を単独で相続した場合、本人が自ら法律行為をしたのと同様の効果が生じるとしています。
無権代理人が本人の地位で追認を拒絶することは信義則に反するからです。
2:× 正しい記述です。
共同相続人の一人が勝手に単独名義の登記をしても、他の相続人の持分については無権利です。
判例は、他の共同相続人は第三取得者に対して自己の持分を登記なくして対抗できるとしています(最判昭38.2.22)。
3:× 正しい記述です。
判例は、連帯債務者の一人が死亡した場合、各相続人は債務を相続分に応じて分割承継するとしています。
そして、承継した範囲で他の債務者とともに連帯債務者となります(最判昭34.6.19)。
4:○ 誤った記述です。
共有者は持分に応じて共有物全体を使用できます(民法249条)。
判例は、過半数の持分を有する者でも、単独で占有する他の共有者に当然には明渡しを請求できないとしています(最判昭41.5.19)。
明渡しを求めるには、明渡しを求める理由を主張・立証する必要があります。
【ポイント】
共同相続では「単独登記をした相続人の持分を超える部分は無権利」と押さえましょう。
共有物を単独で占有する共有者にも持分に基づく使用権があるので、多数持分者でも当然には明渡しを求められません。