正答4
解説
正解は4です。
意思表示の取消し・錯誤・虚偽表示・第三者の詐欺という、意思表示の瑕疵の基本ルールを問う問題です。
出題当時(平成30年4月1日時点)の民法で判断します。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 正しい記述です。
契約が取り消されると、当事者は互いに受け取ったものを返す原状回復義務を負います。
判例は、詐欺による取消しの場合の双方の原状回復義務を同時履行の関係に立つとしています(民法533条類推)。
2:× 正しい記述です。
旧民法95条ただし書により、表意者に重大な過失があると錯誤無効を主張できません。
判例は、錯誤無効は表意者を保護するための制度なので、表意者が主張できない場合は相手方も主張できないとしています。
3:× 正しい記述です。
仮装譲渡(通謀虚偽表示)は当事者間では無効です(民法94条1項)。
ただし、その無効は善意の第三者に対抗できません(同条2項)。
Cは仮装譲渡を知らない善意の第三者なので、Aは無効をCに対抗できません。
4:○ 誤った記述です。
第三者が詐欺をした場合、相手方Bがその事実を知っていたときに限り取り消せます(旧民法96条2項)。
基準となるのは契約の相手方Bの認識であり、転得者Dの認識ではありません。
Bが善意である以上、Dが悪意でもAは取り消せません。
【ポイント】
第三者の詐欺で取り消せるかは「相手方」の主観で判断します。
取り消した後にその効果を第三者に対抗できるかは、取消し前に利害関係に入った「第三者」の善意で判断します(旧民法96条3項)。
この2つを区別して覚えましょう。
現行法では、第三者の詐欺は相手方が知り又は知ることができたときに取り消せ、錯誤の効果も無効から取消しに改められています。