次の1から4までの記述のうち、民法の規定及び下記判決文によれば、誤っているものはどれか。
(判決文) 共有者の一部の者から共有者の協議に基づかないで共有物を占有使用することを承認された第三者は、その者の占有使用を承認しなかった共有者に対して共有物を排他的に占有する権原を主張することはできないが、現にする占有がこれを承認した共有者の持分に基づくものと認められる限度で共有物を占有使用する権原を有するので、第三者の占有使用を承認しなかった共有者は右第三者に対して当然には共有物の明渡しを請求することはできないと解するのが相当である。
正答3
解説
正解は3です。
共有者の一部から共有物の使用を承認された第三者の地位について、判決文を読んで判断する問題です。
この問題は誤っているものを選ぶので、○ が答え(誤った記述)です。
【選択肢別解説】
1:× 正しい記述です。
各共有者は持分に応じて共有物の全部を使用できるにとどまり(民法249条)、協議なしに当然に排他的に占有する権原はありません。
判決文が第三者の排他的占有を否定しているのも、この前提に立つものです。
2:× 正しい記述です。
判決文のとおり、Cは承認したAの持分に基づく限度で占有権原を有します。
そのため、承認しなかったBは、Cに対して当然には建物の明渡しを請求できません。
3:○ 誤った記述です。
判決文は、承認を受けた第三者は、承認しなかった共有者に対して共有物を排他的に占有する権原を主張できないとしています。
Fが建物全体の排他的占有権原をEに主張できるとする点が誤りです。
4:× 正しい記述です。
共有者の一人が持分を放棄したときは、その持分は他の共有者に帰属します(民法255条)。
Gの持分はHに帰属します。
【ポイント】
承認を受けた第三者は「排他的な占有は主張できない」が「承認者の持分の限度で占有権原はある」という二面を押さえることが大切です。
持分の放棄や相続人なしの死亡では、持分は他の共有者に帰属します(民法255条)。