Aが居住用の甲建物を所有する目的で、期間30年と定めてBから乙土地を賃借した場合に関する次の記述のうち、借地借家法の規定及び判例によれば、正しいものはどれか。
なお、Aは借地権登記を備えていないものとする。
正答1
解説
正解は1です。
建物所有目的の借地権について、対抗要件、定期借地権、建物買取請求権を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:○ 借地権者は、借地上に自己名義で登記された建物を所有すれば、借地権を対抗できます(借地借家法10条1項)。
判例は、子など他人名義の建物登記では対抗力が認められないとしています(最判昭41.4.27)。
したがって、AはDに借地権を対抗できません。
2:× 登記上の所在地番や床面積が実際と多少違っていても、建物の同一性が認識できれば対抗力は認められます(最判昭40.3.17)。
「少しでも相違していれば対抗できない」とする点が誤りです。
3:× 更新がなく期間満了で終了する一般定期借地権は、存続期間を50年以上としなければなりません(借地借家法22条)。
期間30年の居住用の借地では、公正証書で契約しても定期借地権を設定できません。
事業用定期借地権(同法23条)は、居住用建物の所有を目的とする場合には使えません。
4:× 建物買取請求権(借地借家法13条)は、存続期間が満了して契約が更新されない場合に認められます。
地代不払などの債務不履行で解除された場合には、建物買取請求権は認められません(最判昭35.2.9)。
【ポイント】
借地権の対抗力には「借地権者本人名義」の建物登記が必要で、家族名義では足りません。
定期借地権の期間は、一般が50年以上、事業用が10年以上50年未満、建物譲渡特約付が30年以上です。