42 歳の男性。
右利き。
自営業。
3 年前に脳出血発症後、回復期リハビリテーション病院を経て自宅退院し復職したが、仕事中に再発した。
初発時の頭部 CT (別冊No. 2A) と再発時の頭部 CT (別冊No. 2B) を別に示す。
再発時の新たな症状として最も考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
初発時の CT(A)では、左の被殻に高吸収域(出血)がみられます。
再発時の CT(B)では、反対側の右被殻に新たな大きな高吸収域がみられます。
左右両側の大脳に病巣ができたことから、新たに生じる症状を考えます。
【選択肢別解説】
1:× 昏睡は、脳幹の障害や広範な脳の圧迫で起こる重い意識障害です。
再発巣は一側の被殻で、正中構造を大きく圧排する所見はなく、昏睡は最も考えられる症状ではありません。
2:○ 構音に関わる皮質延髄路は、両側の大脳から延髄の神経核へ向かいます。
一側の障害では反対側が補いますが、両側が障害されると偽性球麻痺となり構音障害が目立ちます。
左の被殻出血の後に右の被殻出血が加わった本例では、構音障害が新たに出る可能性が最も高いといえます。
3:× 右同名半盲は、左側の視放線や後頭葉の障害で起こります。
今回の新たな病巣は右側であり、生じるとすれば左同名半盲です。
4:× 回転性めまいは、小脳や脳幹(前庭神経核)、内耳の障害で起こります。
被殻出血で生じる症状ではありません。
5:× Gerstmann 症候群は、左頭頂葉の角回の障害で起こる手指失認・左右失認・失書・失算です。
新たな病巣は右側であり、該当しません。
【ポイント】
両側の大脳に病巣が生じると、構音障害や嚥下障害を示す偽性球麻痺が起こります。
CT は向かって右が患者の左であることを、画像の左右表示で必ず確認しましょう。