正答4
解説
正解は4です。
Ⅲ度熱傷は、表皮から真皮の全層まで損傷が及ぶ深い熱傷です。
自然には上皮化しにくく植皮が必要になることが多く、治癒過程で強い瘢痕拘縮を起こします。
手部では、機能を保つ肢位での固定が重要です。
【選択肢別解説】
1:× 受傷直後に氷で冷却するのは誤りです。
氷を直接当てると皮膚の血管が強く収縮し、凍傷を起こして組織の損傷をかえって悪化させます。
冷却は氷ではなく水道水などの流水で行い、範囲が広い場合は低体温にも注意します。
2:× 冷却時間を5分未満とするのは誤りです。
冷却を行う場合は、5分未満では不十分で、15〜30分程度続けるのが一般的です。
3:× 壊死組織の除去は必要です。
壊死組織は感染の温床となるため、デブリードマンで取り除き、植皮の準備をします。
4:○ 変形防止にスプリントを使用します。
手背の熱傷では、瘢痕が縮むことでMP関節の過伸展などの変形が起こります。
手関節軽度背屈、MP関節屈曲、IP関節伸展、母指外転の肢位でスプリント固定し、拘縮を防ぎます。
5:× 手袋を直ちに無理に抜去するのは誤りです。
皮膚に張り付いた手袋を引きはがすと、損傷した皮膚まではがれてしまいます。
張り付いた衣類は、無理にはがさず上から冷やすか、切って外します。
【ポイント】
手の熱傷で用いる良肢位は、MP関節屈曲・IP関節伸展の安全肢位(intrinsic plus肢位)です。
深い熱傷では早期からのスプリントと可動域訓練が拘縮予防の中心になります。