7歳の女児。
アテトーゼ型脳性麻痺。
GMFCSレベルⅣ。
頭部は右を向きやすく、上肢はATNR様の姿勢をとる。
利き手は右であるが物を持続的に把持する能力は低い。
食事訓練場面では座位保持装置に座って肘当てと同じ高さのテーブルで、スプーンでの自力摂取を試みている。
食事訓練における作業療法士の対応として適切なのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
アテトーゼ型脳性麻痺で、頭が右を向くと右上肢が伸び左上肢が曲がる非対称性緊張性頸反射(ATNR)様の姿勢が出る事例です。
食事では、頭部を正中に保ち、上肢の大きな動きを少なくして口元へ運べるよう環境を整えることが大切です。
【選択肢別解説】
1:× BFO(Balanced Forearm Orthosis:前腕を支えて上肢の運動を補助する装具)の利用は適していません。
BFOは筋力低下で腕を持ち上げられない人のための装置です。
不随意運動が強いアテトーゼ型では、腕の揺れが増幅されてかえって操作が不安定になります。
2:○ テーブルを補高する(高くする)のが適切です。
テーブルを肘当てより高くすると、肘や前腕をテーブルに置いて上肢を安定させやすくなります。
皿と口の距離も近くなり、スプーンを口へ運ぶ動きが小さく済むため、不随意運動が出にくくなります。
前かがみにならずに頭部を正中に保ったまま食べやすくなる点も利点です。
3:× 皿をテーブルの右側に置くのは適切ではありません。
右を見ると右上肢が伸びるATNR様の姿勢が誘発されます。
皿は正中に置き、頭部を正中に保つようにします。
4:× 柄の細いスプーンは適していません。
把持能力が低い子どもには、握りやすい太い柄のスプーンを選びます。
5:× 座位保持装置を床から60度まで倒すのは適切ではありません。
大きく後傾すると前方の皿が見えにくく、口元へ運ぶ動作が難しくなります。
誤嚥の危険も高まるため、自力摂取では体幹をやや起こした姿勢を保ちます。
【ポイント】
アテトーゼ型の食事指導では、頭部と体幹の正中位保持、上肢の固定点づくり、すくいやすい食器の工夫が基本です。
反射を誘発しない位置に物を置くことも重要です。