67歳の女性。
認知症。
2年前ごろから身だしなみに気を遣わずに出かけるようになった。
次第に同じ食事メニューを繰り返し作る、日常会話で相手の言葉をオウム返しにする、買い物をしても代金を払わず、とがめられても気にしないといったことが多くなったため、家族に付き添われて精神科を受診し入院した。
作業療法が開始された。
この患者にみられる特徴はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
身だしなみへの無関心、同じ料理を繰り返し作る常同行動、相手の言葉をそのまま返す反響言語、代金を払わずとがめられても気にしない脱抑制がみられます。
これらは前頭側頭型認知症(行動障害型)の特徴です。
【選択肢別解説】
1:× 転倒しやすさは、パーキンソニズムを伴うLewy小体型認知症や、血管性認知症で目立つ特徴です。
前頭側頭型認知症の初期には運動障害は目立ちません。
2:× 情動失禁(わずかなきっかけで泣いたり笑ったりする)は、血管性認知症に多い症状です。
前頭側頭型認知症の代表的な特徴ではありません。
3:× 手続き記憶(体で覚えた技能の記憶)は、前頭側頭型認知症では比較的保たれます。
同じ料理を作れることからも、手続き記憶は保たれていると考えられます。
4:○ 前頭側頭型認知症では常同行動が目立ちます。
毎日同じ時刻に同じ行動を繰り返す「時刻表的生活」はその代表的な表れです。
5:× 「部屋にヘビがいる」のような生々しい幻視は、Lewy小体型認知症の中核的な特徴です。
前頭側頭型認知症の特徴ではありません。
【ポイント】
前頭側頭型認知症は、脱抑制・常同行動(時刻表的生活、常同的周遊)・食行動の変化・自発性の低下が特徴です。
記憶や見当識は初期には比較的保たれる点が、Alzheimer型認知症との違いです。