70歳の女性。
頸髄完全損傷で第4頸髄機能残存。
認知機能は正常である。
受傷後6か月で在宅生活となり、訪問リハビリテーション時に踵部の発赤を認めた。
原因として最も考えられるのはどれか。
正答2
解説
正解は2です。
第4頸髄節まで機能が残存する頸髄完全損傷では、四肢と体幹が麻痺し、損傷レベル以下の感覚も失われます。
自力で体位を変えられず、痛みも感じないため、骨の突出部に圧迫が続きやすい状態です。
【選択肢別解説】
1:× 痙縮は筋緊張が速度依存性に高まる状態です。
痙縮自体が皮膚の発赤を起こすわけではありません。
2:○ 踵部は仰臥位で体重がかかる骨突出部であり、褥瘡の好発部位です。
持続的な圧迫による、指で押しても消えない発赤は褥瘡の初期所見です。
感覚脱失と自力での体位変換困難が、褥瘡の大きな危険因子となります。
3:× 骨萎縮(骨粗鬆症)は麻痺肢に起こりますが、皮膚の発赤は伴いません。
骨折しやすくなる点が問題になります。
4:× 深部静脈血栓症では、下腿の腫脹や熱感、皮膚の色調変化がみられます。
踵部に限局した発赤の原因としては考えにくいです。
5:× 異所性骨化は、股関節や膝関節など大関節の周囲に好発します。
局所の腫脹・熱感と可動域制限が特徴で、踵部の発赤の原因ではありません。
【ポイント】
脊髄損傷者の褥瘡好発部位は、仰臥位では仙骨部・踵部、座位では坐骨結節部です。
在宅では除圧マットの使用と定期的な体位変換を家族や介護者に指導することが重要です。