APTT延長を認めたため、APTTにてクロスミキシング試験を実施した。
結果を表に示す。
患者血漿対正常血漿(混合比) 10対0 8対2 5対5 2対8 0対10
混和直後[秒] 88 84 72 48 26
37℃・2時間後[秒] 92 90 74 50 27
考えられるのはどれか。
正答4
解説
正解は4です。
クロスミキシング試験は、凝固時間の延長が、凝固因子の不足によるものか、凝固を妨げる物質(インヒビター)によるものかを見分ける検査です。
患者血漿に正常血漿を混ぜて、凝固時間が短くなるかを調べます。
表では、正常血漿を5対5で混ぜても、混和直後72秒と大きく延長したままです。
正常血漿の割合を増やしても延長がなかなか改善せず、グラフにすると上に凸の形になります。
これはインヒビター型のパターンです。
さらに、37℃で2時間温めた後も、混和直後とほとんど変わりません。
時間がたたなくてもすぐに作用するインヒビターなので、ループスアンチコアグラントが考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 血友病Bは、第Ⅸ因子が不足する病気です。
正常血漿を少し混ぜるだけで因子が補われ、APTTは正常近くまで短くなります(因子欠乏型)。
2:× von Willebrand病では、第Ⅷ因子が低下してAPTTが延長することがあります。
ただし因子の不足なので、正常血漿で補正されます。
3:× ビタミンK欠乏症は、凝固因子が不足する状態です。
正常血漿で補正される因子欠乏型を示し、主にPTが延長します。
4:○ 抗リン脂質抗体症候群の患者が持つループスアンチコアグラントは、リン脂質を介した凝固反応を妨げます。
混和直後から延長が補正されないインヒビター型を示し、表の結果と一致します。
5:× 播種性血管内凝固〈DIC〉は、凝固因子が消費されて不足する状態です。
正常血漿で補正される因子欠乏型を示します。
【ポイント】
因子欠乏型は下に凸、インヒビター型は上に凸のグラフになります。
第Ⅷ因子インヒビターは、2時間温めると延長がさらに強くなる「時間依存性」を示す点で区別します。