正答4
解説
正解は4です。
図の細胞は、円形で比較的豊富な細胞質をもち、核は小型で楕円形から豆形をしています。
細胞質の中には黒褐色の小さな粒子(塵埃や炭粉)を取り込んだものが見られ、肺胞マクロファージ(塵埃細胞)と判断できます。
肺胞マクロファージは肺胞にしか存在しないため、喀痰中に見られれば検体が肺の深部から出たことを示します。
【選択肢別解説】
1:× 感染の有無は、好中球などの炎症細胞や病原体の有無で判断します。
肺胞マクロファージの存在だけでは感染を判定できません。
2:× 腫瘍の組織型は、異型細胞の形態から腺癌や扁平上皮癌などを判定します。
図には異型細胞はなく、組織型の判定には使いません。
3:× 病変の進行度は画像検査や病理組織検査で判断します。
細胞診の肺胞マクロファージから判定するものではありません。
4:○ 喀痰細胞診では、肺胞マクロファージが含まれていることを、検体が下気道由来の適正な材料である根拠とします。
含まれていなければ唾液などが主体の不適正な検体と判断します。
5:× 炭粉沈着の程度は喫煙歴や粉塵環境を反映しますが、細胞診で判定する項目ではありません。
マクロファージの中の粒子は、肺胞由来であることを示す手がかりとして用います。
【ポイント】
喀痰細胞診では、まず肺胞マクロファージ(塵埃細胞)の有無で検体の適否を判断します。
検体が不適正だと、悪性細胞がなくても陰性と判断できません。