正答3
解説
正解は3です。
術中迅速診断では、組織を凍結して切片をつくり、短時間で標本を作製します。
標本の不良は、その見え方からどの工程に原因があるかを推定できます。
図の所見を確認します。
弱拡大(No.8A)では、リンパ節の組織に、平行に並ぶ多数の細長い裂け目が一方向に走っています。
組織が櫛の歯のように短冊状に裂けています。
強拡大(No.8B)では、リンパ球の核はヘマトキシリンで青紫色に、間質はエオジンで赤く染まっており、染色性は保たれています。
細胞の中に氷晶による空胞のような変化は目立たず、裂け目だけが一方向にそろっています。
このように切片が一定方向に裂ける像は、薄切の工程で生じたものです。
【選択肢別解説】
1:× 切り出しの不良では、組織の向きや大きさ、厚さが不適切になります。
本例のような切片内の平行な裂け目は、切り出しでは生じません。
2:× 凍結の不良では、氷晶ができて細胞内や組織内に多数の穴(空胞)が生じます。
本例ではそのような空胞の変化は目立ちません。
3:○ 薄切の不良が原因です。
刃の切れ味の低下や刃こぼれ、ブロックの温度不適などにより、切片が一定方向に裂けたりちぎれたりします。
本例の平行に並ぶ裂け目はこれに一致します。
4:× 固定の不良では、核のクロマチンが不明瞭になるなど、細胞の形態が崩れます。
本例では核の染まりや形態は保たれています。
5:× 染色の不良では、核や細胞質の染まり方が濃すぎたり薄すぎたりします。
本例ではヘマトキシリンとエオジンの染め分けは良好です。
【ポイント】
平行な裂け目や縞模様は薄切の不良、氷晶による空胞は凍結の不良、と見え方で原因を判断しましょう。