腸内細菌科の細菌をTSI培地(左)とSIM培地(右)へ接種し、35℃で好気培養した結果(別冊No.11)を別に示す。
SIM培地にはインドール試薬を滴下済みである。
考えられる細菌はどれか。
正答2
解説
正解は2です。
腸内細菌目の細菌を、TSI培地とSIM培地の性状から推定する問題です。
図の左のTSI培地では、斜面部も高層部も黄色に変わっており、乳糖または白糖とブドウ糖の分解(斜面部酸性・高層部酸性)を示しています。
培地に黒変はなく、硫化水素〈H₂S〉は産生していません。
右のSIM培地では、インドール試薬を滴下した上部が赤色の層になっており、インドール陽性です。
SIM培地にも黒変はなく、H₂Sは陰性です。
「乳糖分解・H₂S陰性・インドール陽性」の組合せは、Escherichia coliの性状に一致します。
【選択肢別解説】
1:× Citrobacter freundiiはH₂Sを産生するため、TSI培地やSIM培地が黒変します。
また、インドールは通常陰性です。
図とは一致しません。
2:○ Escherichia coliは、乳糖を分解してTSI培地の斜面部と高層部をともに酸性(黄色)にします。
H₂Sは陰性、インドールは陽性で、運動性もあります。
図の所見と一致します。
3:× Klebsiella pneumoniaeはTSI培地で斜面部・高層部ともに酸性になりますが、インドールは陰性で、運動性もありません。
インドール陽性の図とは一致しません。
4:× Proteus vulgarisは乳糖を分解しないため、TSI培地の斜面部は赤色(アルカリ性)のままです。
またH₂Sを産生して黒変します。
図とは一致しません。
5:× Shigella sonneiは乳糖を速やかに分解しないため、TSI培地の斜面部はアルカリ性になります。
インドールは陰性で、運動性もありません。
図とは一致しません。
【ポイント】
TSI培地では「斜面部の色(乳糖・白糖の分解)・高層部の色(ブドウ糖の分解)・黒変(H₂S)・亀裂(ガス)」を読み取ります。
大腸菌は「A/A・ガス陽性・H₂S陰性・インドール陽性・運動性陽性」が典型です。