急性咽頭炎患者の咽頭粘液を5%ヒツジ血液寒天培地(左)とチョコレート寒天培地(右)の分画培地に接種し、35℃で24時間炭酸ガス培養を行った培地(別冊No.15)を別に示す。
分離菌は、グラム陽性球菌、カタラーゼテスト陰性、LancefieldのA群抗原陽性であった。
推定される菌種はどれか。
正答4
解説
正解は4です。
図の左側のヒツジ血液寒天培地では、小さな灰白色の集落が多数発育しています。
集落の周囲では赤血球が溶けて培地が透明に抜け、明るい赤色に変わっています。
これは赤血球が完全に溶血するβ溶血の所見です。
β溶血、グラム陽性球菌、カタラーゼ陰性、Lancefield A群陽性の組合せは化膿レンサ球菌を示します。
【選択肢別解説】
1:× Streptococcus agalactiaeはβ溶血を示しますが、Lancefield B群のレンサ球菌です。
A群抗原が陽性という条件に合いません。
2:× Streptococcus mitisは口腔に常在する緑色レンサ球菌で、α溶血を示します。
Lancefield A群抗原はもちません。
3:× Streptococcus pneumoniaeはα溶血を示すレンサ球菌です。
Lancefield分類の群抗原はもたず、胆汁溶解試験とオプトヒン感受性で同定します。
4:○ Streptococcus pyogenesはβ溶血を示し、Lancefield A群抗原をもつレンサ球菌です。
急性咽頭炎の代表的な原因菌であり、設問の性状とすべて一致します。
5:× Streptococcus sanguinisは口腔に常在する緑色レンサ球菌で、α溶血を示します。
Lancefield A群抗原はもちません。
【ポイント】
β溶血レンサ球菌は、A群がS. pyogenes、B群がS. agalactiaeです。
A群はバシトラシン感受性、B群はCAMP試験陽性と馬尿酸加水分解陽性で区別しましょう。