下肢長の計測結果を示す。
左右差の原因で最も考えられるのはどれか。
なお、右下肢に関節可動域制限や変形はない。
右左棘果長 84.0 82.0 転子果長 80.5 80.5 大腿長 44.5 44.5 下腿長 36.0 36.0 (単位:cm)
正答1
解説
正解は1です。
棘果長は上前腸骨棘から内果まで、転子果長は大転子から外果までの長さです。
棘果長だけに差があり、転子果長・大腿長・下腿長に差がない場合、原因は上前腸骨棘と大転子の間、つまり股関節にあります。
【選択肢別解説】
1:○ 棘果長は左が2.0cm短く、転子果長・大腿長・下腿長は左右同じです。
股関節の関節裂隙が狭小化すると、大腿骨頭が上方へ移動し、棘果長だけが短くなります。
変形性股関節症で典型的にみられる所見です。
2:× 膝関節の裂隙が狭小化すると、大転子から外果までの距離も短くなります。
そのため転子果長にも左右差が出るはずですが、本例では転子果長に差がありません。
3:× 足関節の裂隙は内果・外果より遠位にあります。
そのため狭小化しても棘果長や転子果長には影響しません。
4:× 膝関節屈曲位拘縮があると、大転子から外果までの直線距離が短くなります。
棘果長と同時に転子果長も短くなるはずなので、本例とは合いません。
5:× 足関節底屈位拘縮は内果・外果より遠位の問題です。
棘果長・転子果長の計測値には影響しません。
【ポイント】
棘果長のみ短縮していれば股関節の問題(骨頭の上方移動や股関節屈曲・内転拘縮など)を考えます。
転子果長も短縮していれば、大腿骨・脛骨そのものの短縮や膝関節の問題を考えます。