理学療法士が下肢を固定し、体幹の前屈を行わせた状態を図1に示す。
次に図2のように固定位置を変更して体幹前屈を行わせたところ、体幹前傾角度に違いがみられた。
この違いが生じた原因として、最も筋力低下が疑われる筋はどれか。
正答3
解説
正解は3です。
図1では理学療法士が足関節付近(下腿遠位)を固定し、患者は頭部をわずかに挙げることしかできていません。
図2では大腿遠位部を固定すると、体幹を大きく前屈できています。
固定部位による違いは、膝関節を伸展位に保つ大腿四頭筋の働きで説明できます。
【選択肢別解説】
1:× 腹直筋は体幹前屈の主動作筋ですが、固定の位置を変えても腹直筋の働きは変わりません。
腹直筋が弱ければ図2でも前屈は小さくなります。
2:× 腸腰筋が弱ければ、大腿を固定しても骨盤を大腿に引き寄せる力が出ません。
図2で大きく前屈できていることと合いません。
3:○ 足部で固定する場合、股関節屈筋が骨盤を引く力を足部に伝えるには、大腿四頭筋で膝を伸展位に固めて下肢を1本の棒にする必要があります。
大腿四頭筋が弱いと膝が固定できず大腿が浮き、前屈が小さくなります。
大腿を直接固定する図2ではこの働きが不要になるため、前屈角度に差が生じます。
4:× ハムストリングスは股関節伸展・膝関節屈曲に働く筋で、体幹を前屈させる際の下肢固定には主に関与しません。
5:× 前脛骨筋は足関節の背屈筋で、膝関節を伸展位に固定する働きはありません。
図1と図2の差は膝より近位の固定の違いで生じており、前脛骨筋では説明できません。
【ポイント】
体幹屈曲の検査では、下肢の固定部位を変えて差が出るかで、主動作筋以外の固定筋の弱さを推測できます。
二関節にまたがる固定が必要なときに働く筋を考えると解きやすくなります。