管理組合の書類等について閲覧請求があった場合の理事長の対応に関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、適切でないものはいくつあるか。
ア 専有部分の賃借人から、総会議事録の閲覧請求があったが、理由を付した書面による請求ではなかったため、閲覧を認めなかった。
イ 組合員から、修繕工事の契約方法に疑問があるためとの理由を付した書面により、修繕工事請負契約書の閲覧請求があったので、閲覧を認めた。
ウ 組合員から、役員活動費に係る会計処理を詳しく調べたいためとの理由を付した書面により、会計帳簿に加えこれに関連する領収書や請求書の閲覧請求があったが、会計帳簿のみの閲覧を認めた。
エ 組合員から、理事長を含む理事全員の解任を議題とする総会招集請求権行使のためとの理由を付した書面により、組合員名簿の閲覧請求があったが、閲覧を認めなかった。
正答3
解説
正解は「三つ」。
閲覧請求への理事長の対応(標準管理規約)の問題(適切でないものの数を問うている)。
ア(適切でない):総会議事録は、組合員又は利害関係人の「書面による請求」があれば閲覧させなければならず、理由を付すことまでは求められていない。
賃借人は利害関係人に当たるから、理由がないことを根拠に閲覧を拒むことはできない。
イ(適切):帳票類等については、組合員又は利害関係人の理由を付した書面による請求があったときは閲覧させなければならない。
修繕工事請負契約書もこれに含まれ、閲覧を認めた対応は正しい。
ウ(適切でない):閲覧の対象となる帳票類には、会計帳簿だけでなくその裏付けとなる領収書や請求書等も含まれる。
会計帳簿のみに限って閲覧を認めるのは足りない。
エ(適切でない):組合員名簿も理由を付した書面による請求があれば閲覧させなければならない対象である。
総会招集請求権の行使という理由は正当なものであり、閲覧を拒むことはできない。
→ 適切でないのはア・ウ・エの三つ。
※法改正注記: 組合員名簿・居住者名簿の閲覧は、その後の標準管理規約改正で帳票類一般(現64条)とは別の条文に切り出され、現行規約(31条の2)では「組合員の相当の理由を付した書面による請求」があったときに限り閲覧させるものとされています(利害関係人からの請求は対象外です)。
エは組合員からの請求であり、総会招集請求権の行使という相当の理由もあるため、現行規約でも閲覧を拒むことはできず、正解は変わりません。