修繕積立金の取扱いに関する次の記述のうち、標準管理規約によれば、総会の普通決議で行うことができるものはいくつあるか。
ア.長期修繕計画を作成するための建物診断費用を修繕積立金の取崩しにより支出すること
イ.修繕積立金について、共用部分の共有持分にかかわらず、全戸一律に値上げ額を同一とすること
ウ.給水管の本管と専有部分に属する配管(枝管)の一斉取替費用の全額を修繕積立金の取崩しにより支出すること
エ.修繕積立金の一部を取崩し、現在の区分所有者の所有年数に応じて返還すること
正答1
解説
ア(可):長期修繕計画を作成するための建物診断費用は、修繕積立金の使途(28条1項、計画修繕等に必要な調査費用を含む)に該当し、総会の普通決議による取崩しで支出できる。
イ(不可):修繕積立金の負担額は共用部分の共有持分に応じるのが原則であり、これを全戸一律の値上げ額に変更することは負担割合を定めた規約自体の変更にあたるため、特別決議(規約変更)が必要で普通決議のみでは行えない。
ウ(不可):配管取替え費用のうち専有部分(枝管)に係る分は各区分所有者が実費に応じて負担すべきものとされ、これを修繕積立金から全額支出するにはあらかじめ長期修繕計画への記載と規約への規定が必要であり、単なる普通決議のみでは行えない。
エ(不可):修繕積立金は区分所有者全体のための特別の管理に充てるべきものであり、所有年数に応じた個別返還は積立金の性格(返還・分割請求不可の原則)に反し、特別決議でも認められない。
正しいのはアの一つのみで、正解は「一つ」(1番目の選択肢)。