Aがその所有する甲マンションの 301 号室を、 Bに事務所として賃貸したところ、 Bの事業の執行中に従業員 Cの過失により同室で火災が発生し、当該火災により、同室及びその直下のD所有の 201 号室にそれぞれ損害が生じた。
この場合に関する次の記述のうち、民法及び失火の責任に関する法律の規定並びに判例によれば、誤っているものはどれか。
正答3
解説
正解は3番目。
使用者Bの715条責任は、被用者Cの加害行為に重過失があれば、B自身の選任・監督についての過失は通常の過失(軽過失)で足り、重過失に限られない。
「重過失があるときに限り」という限定が誤りである。
1番目は正しい。
失火責任法により軽過失は709条の責任を免れるが重過失には適用されないため、CはB監督の過失の有無を問わずDに直接責任を負う。
2番目も正しい。
Bの監督に重過失があれば当然責任を負う。
4番目も正しい。
失火責任法は不法行為(709条)の特則であり契約上の債務不履行責任には適用されないため(最判昭30・3・25)、Cが軽過失でも賃借人Bは賃貸借契約上の善管注意義務違反によりAに責任を負う。