77歳、男性。
身長 160 cm、体重 45 kg、BMI 17.6 kg/m2。
ここ1か月ほど、ほとんど食事を摂れていなかった。
3か月前の体重 55 kg。
血液検査結果は、尿素窒素 10 mg/dL、クレアチニン 0.8 mg/dL。
この患者が近医に入院し、1日当たりエネルギー 1,500 kcal、アミノ酸 45 g、脂肪 20 g の静脈栄養が、入院初日から開始された。
投与2日後、意識障害に陥り、K 病院に転院した。
転院時の血液検査結果として、最も適当なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
この患者はBMI 17.6kg/m2で、3か月で体重が55kgから45kgへ約18%減少し、1か月ほどほとんど食事を摂れていませんでした。
このような高度の低栄養状態に、入院初日から1,500kcal/日の栄養を開始したことで、リフィーディング症候群を起こしたと考えられます。
【選択肢別解説】
1:× 栄養補給で分泌されたインスリンにより、カリウムは細胞内へ取り込まれます。
そのため、カリウム値は上昇ではなく低下します。
2:× マグネシウムも、栄養補給に伴って細胞内へ移動します。
そのため、マグネシウム値は上昇ではなく低下します。
3:× ビタミンB1は、糖質代謝の補酵素として急激に消費されます。
そのため、ビタミンB1値は上昇ではなく低下し、ウェルニッケ脳症による意識障害の原因にもなります。
4:○ 急速な糖質投与によりインスリン分泌が増え、リンが細胞内へ取り込まれます。
さらにATP(アデノシン三リン酸)の合成にリンが大量に使われるため、血中のリン値が低下します。
低リン血症はリフィーディング症候群の最も特徴的な所見で、意識障害や心不全、呼吸不全を起こします。
5:× 糖質の投与によって血糖値が上がるため、インスリン値は低下ではなく上昇します。
【ポイント】
リフィーディング症候群の高リスク者には、少ないエネルギー(10kcal/kg/日程度)から開始して徐々に増やします。
開始前からビタミンB1を補給し、リン・カリウム・マグネシウムを頻回に測定して補正します。