K 市健康増進課の管理栄養士である。
K 市( 5万人)では健康増進計画の一環として、減塩の取組を行ってきた。
取組開始時に、食塩摂取量と減塩に対する意識について調査を行っており、減塩に対する意識が高い者の方が食塩摂取量が少なかった。
計画は 10年計画で、 5年目に中間評価を行った。
表は過去 4年間に行った取組である。
取組開始時と中間評価時に、それぞれ市民 1,000人ずつを無作為抽出し、横断調査を実施した(図 1 、 2 )。
調査方法は同一である。
図1(取組開始時の食塩摂取量の分布、1,000人対象):平均値11.3 g、標準偏差2.5 g、最小値5.3 g、最大値21.0 g。
図2(中間評価時の食塩摂取量の分布、1,000人対象):平均値10.9 g、標準偏差3.1 g、最小値5.3 g、最大値21.0 g。
市民の食塩摂取量の変化に関する記述である。
最も適当なのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
取組開始時(図1)と中間評価時(図2)の食塩摂取量のヒストグラムを比べる問題です。
平均値は11.3 gから10.9 gへ下がり、標準偏差は2.5 gから3.1 gへ大きくなりました。
最小値5.3 gと最大値21.0 gは同じです。
【図の読み取り】
図1は9〜13 gの区間に人数が集中し、最も多いのは10〜11 gの区間(約160人)です。
図2は山が低くなって左右に広がり、最も多いのは同じ10〜11 gの区間(約120人)です。
第1四分位点は約9.6 gから約8.6 gへ、第2四分位点(中央値)は約11.3 gから約10.8 gへ下がりました。
第3四分位点は約12.8 gから約13.2 gへ上がりました。
5〜9 gの低い区間と16 g以上の高い区間の人数は、どちらも増えています。
【選択肢別解説】
1:× 中央値は約11.3 gから約10.8 gへ下がっています。
中央値が変わらなかったという記述は誤りです。
2:× 最頻値の区間は、図1も図2も10〜11 gで変わっていません。
最頻値が下がったという記述は誤りです。
3:× 標準偏差が大きくなったので、ばらつきは大きくなっています。
しかし最小値5.3 gと最大値21.0 gは同じなので、範囲は狭まっていません。
4:○ 第1四分位点が下がり、摂取量の少ない人はさらに少なくなりました。
一方、第3四分位点は上がり、16 g以上の人も増えたので、摂取量の多い人はさらに多くなりました。
減塩の効果が一部の人にしか届かず、二極化が進んだことを示しています。
5:× 四分位点は、全体を人数で4等分する点です。
第1四分位点未満と第3四分位点以上の人数は、どちらも常に全体の約25%(約250人)で変わりません。
【ポイント】
平均値だけを見ると改善したように見えても、分布を見ると高摂取者が増えている場合があります。
集団の評価では、平均値に加えて分布の形や四分位点の変化を確認します。