日本人の食事摂取基準(2020年版)において、要因加算法によって求めた妊娠中期における鉄の EAR・RDA の付加量である(表)。
このときに前提とした吸収率(%)として、最も適当なのはどれか。
1つ選べ。
表 要因加算法によって求めた妊娠中期における鉄の合計必要量・EAR(付加量)・RDA(付加量)
胎児中への鉄貯蔵量、臍帯・胎盤中への鉄貯蔵量、循環血液量の増加に伴う鉄需要量の合計(mg/期):250
合計必要量※(mg/日):2.68
EAR(付加量)(mg/日):6.7
RDA(付加量)(mg/日):8.0
(日本人の食事摂取基準(2020年版)を一部改変)
※合計必要量:妊娠中期の胎児中への鉄貯蔵量、臍帯・胎盤中への鉄貯蔵量、循環血液量の増加に伴う鉄需要量の合計を妊娠中期の日数(280日/3)で除して求めた。
正答4
解説
正解は4です。
要因加算法で求めた妊娠中期の鉄の付加量から、前提とした吸収率を逆算する計算問題です。
要因加算法では、体内で必要な鉄の量を吸収率で割ってEAR(推定平均必要量)を求めます。
表では、合計必要量が2.68 mg/日、EARの付加量が6.7 mg/日、RDA(推奨量)の付加量が8.0 mg/日と示されています。
【計算】
EAR(付加量)= 合計必要量 ÷ 吸収率
したがって、吸収率 = 合計必要量 ÷ EAR(付加量)です。
数値を代入すると、吸収率 = 2.68 mg/日 ÷ 6.7 mg/日 = 0.40 です。
百分率にすると40%です。
なお、RDAは EAR × 1.2 = 6.7 × 1.2 = 8.04 で、約8.0 mg/日となります。
【選択肢別解説】
1:× 3%は、RDAの付加量8.0を合計必要量2.68で割った値(約3.0)に近い数値で、吸収率の式とは割り算の向きが逆です。
2:× 15%は、日本人の食事摂取基準(2020年版)で非妊娠時の成人の鉄の算定に用いる吸収率です。
妊娠中期・後期は鉄の吸収率が高まることを踏まえ、より高い値を用いています。
3:× 34%は、合計必要量2.68をRDAの付加量8.0で割った値(約0.34)です。
吸収率はRDAではなくEARとの関係から求めるため誤りです。
4:○ 40%が前提とした吸収率です。
合計必要量2.68 mg/日をEARの付加量6.7 mg/日で割ると0.40になります。
5:× 84%は、EARの付加量6.7をRDAの付加量8.0で割った値(約0.84)で、吸収率とは関係がありません。
【ポイント】
妊娠中期・後期は鉄の需要が高く、吸収率も上がるため、食事摂取基準では40%を用いて付加量を算定しています。
妊娠初期の付加量は、吸収率15%を用いて算定されています。