K 介護老人福祉施設に勤務する管理栄養士である。
多職種で栄養ケア・マネジメントを実施している。
入所者は、90歳、女性。
末期がんと診断されている。
自分が食べられなくなったときには、胃瘻を造設しないと入所時から話していた。
以前は、軟菜食を自分で摂取していたが、 1か月前から、介護者が食事介助している。
食べ物を口に運ぶと、口を開けてゆっくり食べるが、食事の後半は疲労がみられ、傾眠やむせることもある。
排便は 1週間に 1回、尿量は減少しており、口腔内や腋窩の乾燥がみられる。
身長 153 cm、体重 37 kg、体重減少 2 kg/ 3か月、血圧の低下、呼吸数の低下、下肢の浮腫あり。
本人および家族を交えたカンファレンスにおいて、予後を踏まえて栄養補給の方法について話し合った。
本人の希望を尊重し、積極的な延命処置はしないことになった。
栄養ケアの目標に関する記述である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答3
解説
正解は3です。
入所者は末期がんで、傾眠、尿量の減少、血圧と呼吸数の低下など、終末期の徴候がみられます。
本人は胃瘻を造設しないと話しており、積極的な延命処置はしない方針が決まっています。
【選択肢別解説】
1:× 経鼻経管栄養法は、本人が望まない延命目的の栄養補給に当たります。
本人の意思を尊重した方針と合いません。
2:× 嚥下訓練は、本人に疲労などの負担をかけます。
終末期で全身状態が低下している時期の目標としては適切ではありません。
3:○ 本人が食べたいものを、食べられる量だけ提供することを目標にします。
栄養状態の維持より、本人の希望と生活の質(QOL)を優先するのが、終末期の栄養ケアの基本です。
4:× 本人はまだ口を開けてゆっくり食べることができます。
食事の提供をやめて水分だけにするのは、食べる楽しみを奪う対応です。
【ポイント】
終末期の栄養ケアでは、本人の意思と尊厳を尊重し、苦痛を与えないことを重視します。
人生の最終段階の医療・ケアは、本人・家族と多職種で話し合って決めます。