K 病院に勤務する管理栄養士である。
患者は、84歳、女性。
基礎疾患はない。
自宅で娘夫婦と同居していたが、家の中で転倒し、大腿骨頸部を骨折したため、入院し手術を受けた。
入院時の身長 140 cm、体重 35 kg、BMI 17.9 kg/m2、標準体重 43 kg。
筋肉および皮下脂肪の喪失がみられた。
血液検査値は、ヘモグロビン 9.7 g/dL、総たんぱく質 6.3 g/dL、アルブミン 3.0 g/dL。
咀嚼・嚥下障害はない。
自宅での食事は娘が作っており、家族と同じものを食べていた。
患者の入院時に開始する食事である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答1
解説
正解は1です。
患者は84歳女性で、BMI 17.9 kg/m²、アルブミン3.0 g/dLと低栄養の状態です。
咀嚼・嚥下障害はなく、自宅では家族と同じ食事を食べていました。
【計算】
基礎エネルギー消費量(ハリス・ベネディクト式・女性)
=655.1+9.56×体重+1.85×身長-4.68×年齢
=655.1+9.56×35+1.85×140-4.68×84
=約856 kcal/日
必要エネルギー量=856 kcal×活動係数1.2×ストレス係数1.1〜1.2
=約1,130〜1,230 kcal/日
【選択肢別解説】
1:○ 咀嚼・嚥下に問題がないので、常食で開始できます。
エネルギーは計算した必要量に近い1,200 kcalから始め、様子を見ながら増やします。
2:× 1,600 kcalは、現体重35 kgの約46 kcal/kgに当たり、開始時の量としては多すぎます。
低栄養の高齢者に急に多く与えると、リフィーディング症候群を起こすおそれがあります。
3:× 咀嚼・嚥下障害はなく、家族と同じ食事を食べていました。
軟菜食にする必要はありません。
4:× 軟菜食にする必要はなく、1,600 kcalも開始時の量としては多すぎます。
【ポイント】
低栄養の患者では、必要量に近い量から開始し、検査値や摂取状況を確認しながら段階的に増やします。
食形態は、咀嚼・嚥下機能に合わせて決めます。