K 市の子育て世代包括支援センターに勤務する管理栄養士である。
保健師から、妊婦 A さんが胎児の成長に必要な栄養が摂れているか心配しているので、相談にのってほしいと言われた。
A さんは、18歳、妊娠 8週目、初産婦。
未婚、一人暮らし、接客業、年収 180万円。
身長 160 cm、体重 55 kg、妊娠前体重 54 kg、喫煙習慣なし。
飲酒習慣なし。
つわりの症状はない。
1日の食事内容を聞き取った(表)。
普段も同じような食事をしているという。
「このような食事で大丈夫ですか。」という A さんに対する返事である。
最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
表 A さんの1日の食事内容
朝食(9時、自宅):牛乳(200 mL)
昼食(14時、職場):手作りのお弁当-おにぎり(2個、ごはん 200 g)、卵焼き(卵 80 g)、ウィンナーのソテー(45 g)、野菜炒め(もやし 80 g、にら 10 g、にんじん 5 g)
間食(17時、職場):ヨーグルト(1個、83 g)
夕食(21時、自宅):カレーライス-作り置きのカレー(豚もも肉 60 g、じゃが芋 65 g、玉ねぎ 65 g、にんじん 30 g)、ごはん(200 g)、ほうれん草のお浸し(80 g)
間食(22時、自宅):アイスクリーム(1個、215 kcal)
正答1
解説
正解は1です。
妊娠8週の18歳女性で、妊娠前のBMIは約21.1 kg/m²の普通体重です。
妊娠前から体重は1 kg増えており、聞き取った食事の量と内容を評価します。
【計算】
妊娠前のBMI=54 kg÷(1.6 m×1.6 m)=約21.1 kg/m²
推定エネルギー必要量(18〜29歳女性・身体活動レベルⅡ)=2,000 kcal/日
妊娠初期の付加量=50 kcal/日
必要量の目安=2,000+50=2,050 kcal/日
表の食事を概算すると約1,800 kcalとなり、必要量の約9割です。
【選択肢別解説】
1:○ エネルギーは必要量に近く、体重も妊娠前から適度に増えています。
主菜(卵焼き、ウインナー、豚肉)と副菜(野菜炒め、ほうれん草)もそろっており、大きな問題はありません。
2:× 主菜は、昼食の卵焼きとウインナー、夕食のカレーの豚肉で摂れています。
主菜が足りないという評価は誤りです。
3:× エネルギーは「かなり不足」ではなく、必要量にほぼ近い量です。
体重も減っておらず、かなり不足という評価は誤りです。
4:× エネルギーはほぼ足りており、主菜も摂れています。
どちらも改善が必要という評価は誤りです。
【ポイント】
エネルギーの過不足は、摂取量の概算に加えて体重の変化で評価します。
妊娠初期の付加量は50 kcalと小さく、ふだんの食事が足りていれば大きな変更は不要です。