K診療所に勤務する管理栄養士である。
居宅療養管理指導を行っている。
患者は、75歳、女性。
脳梗塞を発症し、左片麻痺を患いながら自宅療養している。
意識ははっきりしており、嚥下障害は認めない。
食事は買ってきてもらったレトルト粥、パン、牛乳などを自分で選んで食べているが、摂取エネルギー量が500kcal/日と少ない。
身長146cm、体重35kg、空腹時血液検査値はヘマトクリット33%、赤血球380万/μL、アルブミン2.6g/dL、血糖96mg/dL、トリグリセリド80mg/dL、尿素窒素11mg/dL、クレアチニン0.6mg/dL。
1週間後に再訪問したところ、体重が2kg増加していた。
考えられる理由として、最も適切なのはどれか。
1つ選べ。
正答1
解説
正解は1です。
1週間で体重が2kg増加しています。
短期間の急な体重増加は、体脂肪ではなく体内の水分量の変化を考えます。
【計算】
体脂肪1kgは約7,000kcalに相当します。
体脂肪2kgの増加には、約14,000kcalの余剰エネルギーが必要です。
1週間で14,000kcalの余剰は、1日当たり約2,000kcalの過剰摂取に当たります。
【選択肢別解説】
1:○ アルブミン2.6g/dLと低く、血漿膠質浸透圧が下がって浮腫が起こりやすい状態です。
栄養補給の開始に伴い体内に水分やナトリウムが貯留しやすく、浮腫の増悪が最も考えられます。
2:× 便秘で体内に便がたまっても、1週間で2kgもの体重増加は考えにくいです。
3:× 管理計画では水分摂取量を増やしておらず、脱水を示す所見もはっきりしません。
脱水の改善を理由とするのは適切ではありません。
4:× 1日200kcal程度の追加では、1週間で体脂肪が2kg増えることはありません。
【ポイント】
短期間の体重変化は、主に体水分量の変化を反映します。
低栄養の患者に栄養補給を始めると、浮腫(リフィーディング浮腫)が起こることがあります。