70歳、男性。
肺うっ血を認め、利尿薬が投与されている慢性心不全患者である。
身長 170 cm、体重 80 kg、血清ナトリウム値 144 mEq/L、血清カリウム値4.2 mEq/L、血清尿素窒素値 25 mg/dL、血清クレアチニン値 1.0 mg/dL、血清アルブミン値 3.8 g/dL。
この患者の栄養管理に関する記述である。
正しいのはどれか。
1つ選べ。
正答4
解説
正解は4です。
事例の所見を整理します。
肺うっ血があり利尿薬を使用していることから、体液が過剰な状態の慢性心不全です。
BMIは約27.7で肥満、クレアチニン1.0 mg/dLとカリウム4.2 mEq/Lは基準範囲内、アルブミン3.8 g/dLも保たれています。
【計算】
BMI=80÷1.70²=80÷2.89=約27.7 kg/m²
【選択肢別解説】
1:× エネルギー摂取を増加させる必要はありません。
BMIが約27.7の肥満があり、体重増加は心臓の負担を増やすためです。
2:× たんぱく質を制限する必要はありません。
クレアチニンが1.0 mg/dLで腎機能は保たれており、低栄養を防ぐためにも適量を確保します。
3:× ビタミンB1を制限してはいけません。
利尿薬の使用でビタミンB1は尿中に失われやすく、欠乏すると脚気心という心不全の原因になるためです。
4:○ ナトリウムを制限します。
ナトリウムは体内に水分を保持させるため、制限すると体液貯留や肺うっ血が軽減し、心臓の負担が減ります。
5:× カリウムを制限する必要はありません。
血清カリウム値4.2 mEq/Lは基準範囲内であり、ループ利尿薬などではむしろ低カリウム血症に注意します。
【ポイント】
心不全の食事療法の中心は食塩制限で、重症例ではさらに厳しく制限します。
利尿薬使用中は、カリウムやビタミンB1の不足にも注意します。