正答2
解説
正解は2です。
この問題は誤っているもの(この症例で起こらない病態)を選ぶので、○ が答えです。
回腸全体と回盲弁を切除した短腸症候群の病態を問う問題です。
回腸末端は胆汁酸とビタミンB12を吸収する部位で、回盲弁は小腸内容物の大腸への流出を調節しています。
【選択肢別解説】
1:× 脂肪性下痢は起こります。
回腸切除で胆汁酸が再吸収されず胆汁酸プールが減ると、脂肪のミセル化ができず脂肪の吸収が障害されるためです。
2:○ 腸内容物の通過は、遅延するのではなく速くなります。
吸収面積が減るうえ、回盲弁がないため小腸内容物が大腸へ急速に流れ込むからです。
3:× ビタミンAの吸収障害は起こります。
ビタミンAは脂溶性ビタミンで、脂肪の吸収障害とともに吸収が低下するためです。
4:× ビタミンB12の吸収障害は起こります。
ビタミンB12は内因子と結合して回腸末端で吸収されるため、回腸を切除すると吸収できなくなります。
5:× 胆汁酸の腸肝循環の障害は起こります。
胆汁酸は回腸末端で再吸収されて肝臓へ戻るため、回腸切除でこの循環が断たれます。
【ポイント】
回腸切除では「胆汁酸・ビタミンB12の吸収障害」と、それに続く「脂肪・脂溶性ビタミンの吸収障害」が起こります。
ビタミンB12は筋肉注射などで非経口的に補給します。