55歳、男性。
身長 170 cm、体重 80 kg( 標準体重 63.6 kg)、BMI 27.7 kg/m 2、血圧 152/86 mmHg、持続性たんぱく尿を呈し、糖尿病腎症第3期 B と診断された。
この患者の栄養基準に関する組合せである。
正しいのはどれか。
1つ選べ。
エネルギー(kcal/日) たんぱく質(g/日)
正答4
解説
正解は4です。
糖尿病腎症第3期B(顕性腎症後期)の患者の栄養基準を問う問題です。
出題当時の日本糖尿病学会の腎症病期別食事療法では、第3期Bはエネルギー30〜35 kcal/kg標準体重/日、たんぱく質0.8〜1.0 g/kg標準体重/日とされていました。
本例はBMI 27.7 kg/m2の肥満があるため、エネルギーは過剰にならない設定が求められます。
【計算】
たんぱく質の上限は、63.6 kg×1.0 g=約64 g/日です。
たんぱく質の下限は、63.6 kg×0.8 g=約51 g/日です。
エネルギー1,800 kcal/日は、1,800÷63.6=約28 kcal/kg標準体重です。
たんぱく質50 g/日は、50÷63.6=約0.8 g/kg標準体重です。
【選択肢別解説】
1:× エネルギー1,200 kcal/日は約19 kcal/kgで少なすぎます。
腎症の進行期にエネルギーが不足すると体たんぱく質が分解され、窒素代謝産物が増えて腎臓の負担になります。
2:× エネルギー1,400 kcal/日は約22 kcal/kgで、やはり不足です。
たんぱく質50 g/日は適切でも、エネルギーが足りません。
3:× エネルギー1,400 kcal/日が不足しているうえ、たんぱく質70 g/日は約1.1 g/kgで、上限の1.0 g/kgを超えます。
4:○ エネルギー1,800 kcal/日(約28 kcal/kg)は、肥満を考慮して過剰を避けつつ不足させない設定です。
たんぱく質50 g/日(約0.8 g/kg)は、第3期Bの基準に合致します。
5:× エネルギー1,800 kcal/日は適切ですが、たんぱく質70 g/日は約1.1 g/kgで、基準の上限を超えます。
【ポイント】
糖尿病腎症では、病期が進むほどたんぱく質を制限し、その分エネルギーを確保して異化を防ぎます。
なお、2014年に腎症病期分類が改訂され、第3期A・Bの区分はなくなり第3期(顕性腎症期)に統合されています。