滞納管理費が一部弁済された場合の充当順序を判断する要素である次のア 〜オについて、民法の規定によれば、優先順位の高い順に並べたものとして、最も適切なものはどれか。
ア規約の定めによる充当順序イ管理組合が滞納組合員に対する意思表示により指定した充当順序(滞納組合員から直ちに異議を意思表示しなかった場合) ウ滞納組合員が管理組合に対する意思表示により指定した充当順序エ滞納組合員の利益の多い順序オ弁済期の先後充当順序第一順位第二順位第三順位第四順位第五順位
正答1
解説
正解は1。
弁済の充当の順序(合意による充当、指定充当、法定充当)について、民法上の優先順位を問う問題です。
【選択肢別解説】
弁済の充当は、次の順で決まります。
まず、当事者間に充当の順序に関する合意があればそれに従います(民法490条)。
規約で定めた充当順序は、組合員と管理組合の間の合意による充当にあたるので、第一順位はアです。
合意がなければ、弁済者(滞納組合員)が給付の時に指定できます(民法488条1項)ので、第二順位はウです。
弁済者が指定しないときは、弁済受領者(管理組合)が受領の時に指定でき、弁済者が直ちに異議を述べなければその指定に従います(同条2項)ので、第三順位はイです。
いずれの指定もないときは法定充当となり、弁済期にあるものが先、すべて弁済期にあるときは「債務者のために弁済の利益が多いもの」が先、利益が同じときは「弁済期が先に到来したもの」が先となります(同条4項)ので、第四順位はエ、第五順位はオです。
1:○ ア→ウ→イ→エ→オで、上記の順序と一致します。
2:× 受領者の指定(イ)を第一順位とし、弁済期の先後(オ)を第二順位に置いている点が誤りです。
3:× 弁済者の指定(ウ)を合意(ア)より先にし、合意(ア)を第四順位としている点が誤りです。
4:× 法定充当の最後の基準である弁済期の先後(オ)を第一順位としている点が誤りです。
【ポイント】
充当は「合意→弁済者の指定→受領者の指定(異議なし)→法定充当(弁済期にあるもの→債務者の利益→弁済期の先後)」の順です。
なお、費用・利息・元本の間では、この順に充当されるのが原則です(民法489条)。