甲土地を所有するAが、B銀行から融資を受けるに当たり、甲土地にBのために抵当権を設定した場合に関する次の記述のうち、民法の規定によれば、最も適切なものはどれか。
ただし、甲土地には、Bの抵当権以外の担保権は設定されていないものとする。
正答2
解説
正解は2。
抵当権の効力の及ぶ範囲、法定地上権の成立要件、被担保債権の範囲、抵当権の時効消滅を問う問題です。
【選択肢別解説】
1:× 土地と建物は別個の不動産であり、土地に設定された抵当権の効力は、その土地上の建物には及びません(民法370条)。
「当該建物にも及ぶ」とする点が誤りです。
2:○ 法定地上権(民法388条)は、抵当権設定当時に土地の上に建物が存在していたことが要件です。
設定当時に甲土地が更地であった場合には、その後Aが建物を建てても法定地上権は成立しないため、買受人Cから明渡しを求められればAは応じなければなりません。
なお、抵当権者は土地とともにその建物を一括して競売することができます(民法389条)。
3:× 抵当権者は、利息その他の定期金について、満期となった最後の2年分について抵当権を行使することができます(民法375条1項)。
別段の合意がなくても利息は一定範囲で担保されるので、「利息は担保されない」とする点が誤りです。
4:× 抵当権は、債務者及び抵当権設定者に対しては、その担保する債権と同時でなければ時効によって消滅しません(民法396条)。
債務者兼設定者であるAに対して、被担保債権が存在しているのに抵当権だけが時効消滅することはありません。
【ポイント】
法定地上権は「抵当権設定当時に土地上に建物があること」「土地と建物が同一所有者であること」が要件です。
抵当権で担保される利息は「最後の2年分」と数字で覚えましょう。